生物が行っている動的で解析が困難な運動を、学習によってロボットに獲得させることを目的として1)鉄棒の大車輪運動、2)1脚によるホッピング運動、3)2足歩行運動、4)多関節で蛇行運動を行うロボットを作製して、学習制御の研究を行った。1)では二重振子の構造にし、振子間の関節に取り付けたDCモータがトルクを与え、振子の各関節に角度センサを取付けた構造のロボットで角度センサの情報を基にし、DCモータに与えるトルクを変化させる簡単なルールベースを構築し、大車輪運動の制御を試みた結果連続的な大車輪運動を実現出来た。2)の1脚ホッピングロボットは、上下、前後の方向に自由度が与えられた系で、本体に取付けられた脚が前後に振れる事によって移動する構造にした。脚の付根にDCモータを取り付け、これが脚を振る動力となる。センサによって脚の振れ角、高さ、移動距離の情報が得られるようにし、1)と同様に、センサによって得られる情報を基にして、DCモータに与えるトルクを変化させる簡単なルールベースを構築し、ホッピング運動の制御を試みた結果安定したホッピング動作を実現する事が出来た。3)の2足歩行ロボットは股関節と膝をサーボモータによって動かして前進する構造にし、制御システムについても生体をモデルとしてニューラルネットワークを用いたものを取り入れるため、リカント型のニューラルネットワークにおける発振と位相のずれを用い、両脚の股関節と膝の部分に取り付けたサボモータの角度を制御して2足歩行を試みた。その結果、安定した歩行運動を実現出来た。4)は3)の制御系を発展させ、ニューラルネットワークにおける発振と位相のずれを用いた運動の学習を試みた。学習させた運動は、各関節にサーボモータを配置した4関節のロボットによる蛇行運動で、目標となる速度、モータの消費電力を設定して学習させた結果、目標とする蛇行運動の獲得を実現出来た。
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