研究課題/領域番号 |
10650428
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
細江 繁幸 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50023198)
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研究分担者 |
宮崎 孝 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (30252274)
HOANG Duong 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (60262854)
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キーワード | 線形行列不等式 LMI / 双線形行列不等式 BMI / 非凸関数 / 大域的最適化 / ゲインスケジュール制御 / ロバスト制御 / d.c.構造 / 車のスピン回避制御 |
研究概要 |
数値計算法の最近の成果を取り入れた制御系設計法として、線形行列不等式(LMI)による方法が多くの実例に適用され成果が得られている。これの自然な拡張が双線形行列不等式(BMI)による方法である。BMIは、多変数2次多項式を要素とする対称行列の正定性を判定する問題で、LMIを特別な場合として含み、非線形システムの制御系設計や構造的な不確かさを含むプラントのロバスト制御など幅広い応用を持つ。ただし、LMIが凸拘束条件であるのに対し、BMIは非凸であり、NP困難な問題であることが知られている。したがりで、数値計算上の困難さが著しく増大し、大域的な最適性を保証しつつ、かつ、優れた収束性を有するアルゴリズムを導出することが重要となる。 本研究ではBMIが、非凸大域的最適化問題の分野で最近盛んに研究されているd.c.制約(凸関数の差で表される制約)の一つであることに着目し、d.c.構造をうまく利用した新しい分枝限定アルゴリズムを提案した。また、BMIのある種の問題は一部の変数を可変パラメータとみなすことにより、パラメータ依存型LMI(PLMI)になる。方向性凸の概念を用いてPLMIを通常のLMI変換し、解くアルゴリズムを提案した。応用例として、車の前輪操舵によるスピン回避制御系設計を考え、PLMIの解法を用いてゲインスケジュールドコントローラを求めた。
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