今年度は、昨年度構築した、免疫型システムの理論的解析とそれを支援するための基本ソフトウェア(シミュレータ)の改訂、洗練をおこない、それを用いて主に情報システムへの免疫型システムの適用を検討した。 1.昨年度構築した、免疫型システムの理論的解析とそれを支援するためのシミュレータの改訂、洗練を以下のようにおこなった。 ・オートマトン結合モデルを、様々なトポロジーと状態遷移ルールで設定可能にし、さらに一般的にネットワーク上で、ウィルスやアンチウィルスの伝搬のシミュレータが行なえるようにした。 ・上記モデルで、さらに各々のサイトで学習能力をもったエージェントが定義できるようにした。 2.また、上記の改訂したシミュレータを多くのPCおよびそのネットワークに実装し、以下の解析をおこなった。 ・本シミュレータで自己・非自己識別を様々な工学的問題に適用するための自己情報の定義をおこなった。 ・コンピュータネットワーク上で様々なコンピュータウィルスやアンチウィルスが分散されている状態での、伝搬の様態を視覚的に出力できるようにした。 ・各サイトで、どの程度の学習が可能かを、主に隠れマルコフモデル(HMM)を用いた自己・非自己識別学習について解析した。 ・学習につれネットワークの構造が変化するモデルについて、主に性能の点でどのような向上が期待できるかを中心に検討した。
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