研究課題/領域番号 |
10650435
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
柏木 潤 熊本大学, 工学部, 教授 (30040380)
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研究分担者 |
山口 晃生 熊本大学, 工学部, 講師 (50230363)
原田 博之 熊本大学, 工学部, 助教授 (90145285)
鳥越 一平 熊本大学, 工学部, 助教授 (40134663)
坂田 正登 熊本大学, 工学部, 助手 (20040652)
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キーワード | 非線システム / 同定 / M系列 / 相関 / メカトロサーボ / 化学プロセス |
研究概要 |
非線形システムの同定法として、筆者等が開発したM系列を用いるVolterra核の同定法を二つの実際のプロセスに応用して、その有用性を確かめることができた。第一の応用は、メカトロサーボ系への応用で、ファナック(株)との共同研究の成果である。まずロボットマニピュレータの重力項による非線形特性をシミュレーションにより同定し、同定したVolterra核を用いて推定した出力と実際の出力とを比較した結果、良い一致が見られた。この成果は、国際計測連合(IMEKO-XV)に発表した。つぎに、メカトロサーボ系には機械的バックラッシが入ることが多いので、バックラッシを含むメカトロサーボ系の同定を本方法を用いて行った。その結果、数学的にはVolterra核で表現出来ないバックラッシ系に対しても、本方法が有用であることが分かった。この成果は、韓国自動制御学術会議(KACC)に発表した。第2の応用として、非線形な化学プロセスへの応用で、三菱化学(株)との共同研究である。非線形な化学プロセスは種々あるが、今回はBilinearな化学プロセスを取り上げた。すなわち、Bilinearな化学プロセスとして知られるCSTRを取り上げ、シミュレーションによるVolterra核の同定を行った。その結果、Bilinearな系に対しても本方法が有用であることが分かった。この成果は、本年7月に上海で行われるアジア自動制御学術会議(ASCC)に発表予定である。なお、化学プロセスは反応時間が大きいので、M系列を加えて相関をとる本方法では時間がかかりすぎるという問題点を解決すべく、高次のVolterra核はODEモデルを用いて別途求めるという方法を考案し、KACCに発表している。
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