研究概要 |
本研究では,取得した画像データの軌跡より動特性モデルをリアルタイムに構築することにより運動の認識や予測を行い,適切な制御を達成する制御系設計法の構築を目的としている.このために,主に2つの方法について研究している。1つは,画像データを用いた適応同定アルゴリズムの開発であり,もう1つは同定したモデルを用いて対象をロバスト制御するコントローラの開発である. 本年度は,次のような成果を得た. ・画像処理の演算時間遅れを考慮したロバストコントローラとしてのPID+Qコントローラを提案した.結果は,International Journal of Controlおよび自動制御連合講演会にて基礎理論およびシミュレーションについて発表した.また,実験については,ライフサポート学会において報告を行った.さらに,来年度の国際会議(IMEKO World Congress)においても発表予定である. ・適応同定アルゴリズムについては,推定速度向上のためにスパイラルベクトルを用いた手法を提案し,シミュレーションにより有効性を確認した.結果については,計測自動制御学会適応制御シンポジウムにおいて報告を行った. ・実験においてはボール・プレート実験装置の立ち上げを行った.MATLABによるリアルタイム制御のための資料収集を行い,実機の動作確認を行い,ファジィ適応同定器の設計を実行中である.
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