研究概要 |
本研究では,取得した画像データの軌跡より動特性モデルをリアルタイムに構築することにより運動の認識や予測を行い,適切な制御を達成する制御系設計法の構築を目的としている.このために,主に2つの方法について研究している.1つは,画像データを用いた適応同定アルゴリズムの開発であり,もう1つは同定したモデルを用いて対象をロバスト制御するコントローラの開発である. 本年度は,次のような成果を得た. 1.以前提案した適応同定のためのパラメータ調整則の安定性の証明の改良を行い,出力誤差の漸近安定性を保証し,結果を計測自動制御学会論文集に発表した. 2.提案した適応パラメータ調整則を用いて,ファジィ基底関数を用いた物体運動の軌道推定アルゴリズムを提案した.さらに,このアルゴリズムを(1)ボール・プレート実験装置,(2)電力系統の安定化制御系の2つのシステムに適用し,その有効性を確認し,結果をIEEE International Conference on Systems,Man,and Cybernetics,Tokyoにて発表した. 3.制御用システムとして,昨年提案したPID+Qコントローラをリフターの振れ止め制御に適用し,さらに,適応同定器と組合せることにより,ビジュアルデータによる物体運動推定ならびに制御が可能であることを,IMEKO-XV World Congress,Osakaにて発表した.
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