研究実施計画に基づき、次の2項目について研究を遂行した。 1.地盤定数推定のニューラルネットワーク構築 この項目については、昨年度の研究でシミュレーションによるニューラルネットワークの検証がほぼ終了しており、本年度はニューラルネットワークの補足的な検証と重錘落下方式で加振力を与える方法の検討を行なった。補足的な検証として、ニューラルネットワーク構築に必要な加振力の特性が予測精度に与える影響を調べた。また、重錘落下方式の加振装置を試作し、加振力の特性を調べ、シミュレーションと同等の加振力を発生させるための問題点を明らかにした。これらの改善は、今後の研究課題とする。 2.地盤振動予測のニューラルネットワーク構築 昨年度に引き続き、本年度もニューラルネットワークの構築に解析的な要素を導入するための研究を実施した。路面性状、車両の走行性を取り入れた地盤振動のシミュレーション法を開発し、自動車1台走行時の沿道地盤振動のユニットパターンをシミュレートし、実測のユニットパターンと比較するとともに、その特性を調べた。交通流をモンテカルロシミュレーションによって発生させ、交通流を加味した道路交通振動のコンピュータシミュレーション法を開発した。このシミュレーション法を現地測定データで検証し、良好な結果を得ている。また、路面平坦性を推定するためのニューラルネットワーク構築についても検討した。これらの成果を踏まえて、新しい考えに基づくニューラルネットワークの構築を続けて研究する予定である。
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