研究概要 |
平成10年度は,試験装置の開発および計測システムの改良を行った。三軸試験装置に関しては、既にある程度開発を行い予備的に使用を開始している横ベンダーエレメントについて、これまでに見つかった装着時の負圧低下などの問題点の改善を試みた。また中空ねじりせん断試験装置を使用する実験では、鉛直ひずみ、せん断ひずみに関しては通常のLVDT及びポテンショメータを用いる計測に加え、両者についてギャップセンサーを使用することにより微小ひずみレベルでの計測も行えるようにした。高精度の体積変化計測を行うためには、メンブレンペネトレーションの正確な補正を行う必要があり、これらについてまず検討を行った。0.001%程度のひずみレベルでの計測が行えることが確認されたことから、豊浦砂を対象とした実験を開始した。このように本研究において行った微小繰り返し載荷が可能な自動制御三軸試験装置,ベンダーエレメントを組み合わせた実験システムを開発し,各試験を行った結果,以下のような結論が得れた. (1) 本研究で開発されたシステム全般において,10^-5レベルでの微小繰り返し試験とその測定が十分な精度で行える. (2) 本研究の計測システム上で,内部変位計LDTとLVDTは同等の精度が得られた. (3) すべての体積ひずみの誤差補正は有効拘束圧に対して,一度に補正できる. (4) 微小繰り返しせん断により等価弾性係数を求めるには,その前にクリープひずみを十分に生じさせた後,行うことが必要である.
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