研究概要 |
昨年度は粘土の圧縮特性と液性限界の関係や海底粘土の降伏応力の特性など、粘土の基本的な圧縮特性について調べた。本年度は沈下に関わる諸問題について沈下実測事例や文献資料にもとづいて考察し、またRIコーンを用いた地盤のモデル化に関して研究を行った。本年度の研究で得られた成果を要約すると以下の通りである。 1.粘土地盤の圧密沈下に関わる諸問題 (1)長期間にわたる沈下の実測記録を収集・解析し、観測的手法で地盤の一次圧密漁を推定するには、浅岡法が有用であることを実証した。(2)温度(T)で定ひずみ速度(ε^^・)試験を実施する場合、ε^^・とTの効果を、文献資料をもとにして調べた。所定のひずみεを生じるまでの時間を[T_1,ε^^・_1]→t_1,[T_2,ε^^・_2]→t_2,とすれば、t_1/t_2≒(T_1/T_2)^2なる関係を見いだした。これは「時間〜温度換算則」に繋がる成果といえる。 2.代表者が以前に開発したラジオアイソトープ(RI)・コーン貫入試験を用いて、地盤の変形挙動の予測に不可欠な地盤のモデル化を試みた。 (1)砂質地盤では、原位置における含水比/湿潤密度の深度分布を高精度に求め得ることを、砂の不攪乱試料により確かめた。(2)粘土地盤では、海底履歴層が塩分を含有するために、RIコーン・水分計の計測値に影響を与えλ。よって旧塩田地で高塩分濃度の地盤を対象に、実用的で適切な補正法を提案した。
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