研究課題/領域番号 |
10650498
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
真野 明 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (50111258)
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研究分担者 |
泉 典洋 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (10260530)
長林 久夫 日本大学, 工学部, 助教授 (70102431)
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キーワード | 土砂輸送 / 阿武隈川 / ウォッシュロード / 浮遊砂 / 高水敷 / 洪水 / 土砂堆積 |
研究概要 |
1998年8月に那須山地の東側で記録的な豪雨が降り、阿武隈川と那珂川水系で記録的な豪雨が降った。東北大学と日本大学の共同で、この出水に対する現地観測を行った。観測は本川中流部の信夫・蓬莱のダムを挟む地点で、採水し、土砂濃度、粒度分析、窒素、リンの濃度分析を行った。また、この事象に関する降雨データを収集し、阿武隈川の全流域で流出解析を行った。本川で建設省が測定している流量観測値と比較することにより、流域の平均流出率を求めたが、この事象では0.73という非常に高い値が得られ、先行降雨により流域が濡れており、高い効率で流出したことがわかった。また、阿武隈川全域に対する細粒土砂の輸送を計算する数値解析モデルを開発した。モデルは1996年の出水に対して実施した、本川上の浮遊土砂の観測値を良く再現する事をしめし、両ダムからの巻き上げが大きなウェイトを占めることを明らかにした。 また、1998年洪水にについて、福島盆地下流端で高水敷上への細粒土砂の堆積を調べた。堆積土砂の粒径は低水路側から離れるに従って細かくなること、また堆積のピークが低水路から10m程度離れたところに存在することがわかった。洪水期間中の総堆積量を見積もった。この際、浮遊砂の巻き上げ量は、河床が完全に細砂で覆われていると仮定して得られるより小さく、また推定される浮遊砂濃度は上記実測のものと非常に良く一致することがわかった。
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