研究概要 |
平成11年8月21日および同11月9日に,運輸省第五港湾建設局三河港湾工事事務所の協力を得て,三河湾において水質観測および底質サンプリングを行った.水質観測項目は,湾内に設定した31ポイントにおいて,表層水のサンプリング,蛍光光度計(クロロテック)を用いたクロロフィル濃度の測定,透明度,濁度,水温および溶存酸素濃度の観測を行った.サンプリングした表層水からは,クロロフィル濃度およびSSを求めた. 本年度は,今年を含め過去4年間にわたって取得した6回の水質分布のデータおよび対応するランドサット画像データを用いて,クロロフィル濃度の推定アルゴリズムを構築することを主目的として研究を行った.エアロゾル濃度を用いた大気補正法を適用することにより,ランドサット画像データのみから表層のクロロフィル濃度分布を予測することが可能となった.ただし.予測精度は高いとは言えず,クロロフィル濃度は予測値の5倍から1/5倍程度の範囲でばらつくことがわかった.また,夏場のデータではさらに予測精度が低下することがわかった. 底質調査は,上記8月21日に,スミスマッキンタイヤ採泥器を用いて湾内数点でサンプリングしたが,湾口から湾奥にいたるまでほとんどヘドロ質で,夏場であったこともあって,生物はほとんど確認できなかった.また,夏場の底層は貧酸素状態となっており,生物の生息環境としては劣悪であることが確認できた.
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