研究概要 |
平成11年9月9日に,運輸省第五港湾建設局三河港湾工事事務所の協力を得て,三河湾において水質観測および太陽放射の観測を行った.水質観測項目は,湾内に設定した18ポイントにおいて,表層水のサンプリング,蛍光光度計(クロロテック)を用いたクロロフィル濃度の測定,透明度,濁度,水温および溶存酸素濃度の観測を行った.サンプリングした表層水からは,クロロフィル濃度およびSSを求めた.本年度の観測では,クロロフィル濃度の時間変動特性について調査するため,同一地点を午前と午後2回観測した.さらに本年度は,大気補正の参考資料とするため,サンフォトメーターを用いて太陽放射のスペクトル測定を行った. 測定されたデータは,昨年度開発したクロロフィル濃度の推定モデルによる予測結果と比較を行った.その結果,予測精度は高いとは言えず,大気補正の必要性が示唆されたため,太陽放射の測定結果より得られる大気混濁度について考察を行った.また,クロロフィル濃度の時間変動特性については場所的な違いはあるものの,時間変動が大きいことが示された. 底質調査については,昨年の調査で三河湾内に生物はほとんど確認できなかったため遠州灘のナメクジウオについて調査を実施した.その結果,ナメクジウオの生息環境を明らかにすることができた.
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