研究概要 |
研究期間中,平成10年8月21日,平成10年11月19日,および平成11年9月9日の3日間,ランドサットのデータ取得日にあわせて,三河湾内のおよそ30箇所において水質観測を実施した.水質観測項目は,クロロフィル濃度,水温,透明度,溶存酸素濃度,SS等である.また,平成10年8月21日には三河湾内の底生動物の調査も行った.さらに,平成10年7月31日〜8月5日および平成11年6月17日〜6月22日には,遠州灘沖でナメクジウオ(三河湾では天然記念物指定されている底生動物)の生態調査およびクロロフィル濃度分布の調査を行った. 人工衛星によるリモートセンシングについては,上記観測日当日に取得されたランドサットTMデータを(財)リモートセンシング技術センターより購入し,水質データ(特にクロロフィル濃度)との比較を行って衛生画像によるクロロフィル濃度のモニタリングの可能性について検討した。その結果,バンド1およびバンド3のTMデータを用いた簡便な予測法を提案することができた.ただし,提案式は夏期の水質予測には適用困難であり,今後さらに大気補正について検討する必要があることが明かになった. また,三河湾内での底質および底生動物調査の結果,湾内のほぼ全域で有機汚泥によって覆われており,ナメクジウオの生息の可能性はほとんどないことがわかった.そこで,遠州灘沖のナメクジウオの生態調査を行ったところ,底質(粒径)との強い相関がみられ,三河湾の富栄養化による底質の変化が底生動物に大きな影響を与えていることが示唆された.
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