本年度は波面の可視化計測、ホログラフィ型波浪制御構造物に対する波浪制御状況の検討を行なった。 波面の可視化計測においては、ウラニンをあらかじめ蛍光剤として実験水に混入させレーザーライトシートを照射することにより水面を曲線として可視化させる。本手法は点計測から線計測へと計測労力が大幅に軽減される。実験装置についてはほぼ整備され、現在蛍光剤の種類、量の検討および撮影機器の試験撮影を実施中である。 上記のように可視化された映像(平成8年〜9年文部省在外研究中の撮影データ)にアフィン変換を処理した結果、斜め入射する孤立波の波形と斜面上での変形砕波過程を実測することができた。この成果を土木学会関西支部年次講演会、可視化情報三重講演会にて発表した。 また波高の面的計測手法の開発を目指した研究として、自然光が波面に鉛直入射し、屈折、回折したあと水底で観測される光強度計算のシミュレーションを鉛直平面内で実施した。水槽実験結果とも比較検討を行ない、妥当性を確認した。この成果は来年度の土木学会関西支部年次講演会にて発表する。 ホログラフィ型波浪制御構造物関係としては、円柱群構造物に対してポテンシャル重ね合わせ法により数値解析を行ない、円柱径を変化させた配列に対しホログラム波高と構造物背後の波浪制御効果を示した。また円柱群構造物と角柱群構造物の波浪制御効果の差異について実験的に研究した。 これらの成果を土木学会全国大会と8th International Symposium on Flow Visualizationにて発表した。
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