波面の可視化計測の実験に関しては以下の通りである。ウラニンをあらかじめ蛍光剤として実験水に混入させレーザライトシートを水面に照射することにより波面を曲線として司視化させる。本手法は従来からの波高計による点計測から線計測へと計測労力が大幅に軽減される利点がある。蛍光剤の種類、量を変化させ、波面の試験撮影を実施した上で、規則波の波高・波長の計測、ホログラフィ型円柱群構造物背後の波高分布を実測して波浪制御状況を検討した。上記のように可視化された映像にアフィン変換と2次の多項式変換を処理した結果、ホログラフィ型円柱群背後の最大波高分布を実測することができた。同時にサーボ式波高計で計測された結果と比較している。この成果は可視化情報学会関西講演会にて発表した。また平成12年度の土木学会関西支部年次学術講演会にて発表する。 波高の面的計測手法の開発を目指した研究としては以下の通りである。自然光が波面に鉛直入射し、屈折、回折したあと水底で観測される光強度計算のシミュレーションを3次元的な波を仮定して実施した。斜めに光が入射する場合を鉛直面内でシミュレーションし水底での光強度分布を計算し、鉛直入射の場合とどこが異なるかを考察した。同時に水底で記録された映像内の輝度分布について斜め入射の影響度合いを考察した。この成果は来年度の土木学会全国大会にて発表する予定である。 ホログラフィ型波浪制御構造物関係としては、単数列円柱群構造物に対してポテンシャル重ね合わせ法により数値解析を行ない、円柱径を変化させた配列に対しホログラム波高と構造物背後の波浪制御効果を示した。これらの成果を土木学会全国大会で発表した。複数列配列のホログラフィ型円柱群構造物に対しての列数の波浪制御効果については9th International Symposium on Flow Visualizationにて発表する。
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