波面の可視化計測の実験に関しては以下の通りである。ウラニンをあらかじめ蛍光剤として実験水に混入させレーザライトシートを水面に照射することにより波面を曲線として可視化させる。本手法は従来からの波高計による点計測から線計測へと計測労力が大幅に軽減されること、流れを乱さないなどの利点がある。レーザライトシートで水面を可視化するためには、気液境界面を明確に捉える必要がある。蛍光剤としてウラニンを使用し、最適な混入量を決定するために6種類に混入量を変化させ、気液境界面での輝度変化について調べた。ウラニン濃度が高すぎると境界面は反射・散乱の影響でぼやけてしまうことや、明確な映像を得るためには最適な濃度が存在することなどがわかった。この成果は明石高専研究紀要第43号にて報告した。また平成13年度の土木学会関西支部年次学術講演会にて発表する。 波高の面的計測手法の開発を目指した研究としては以下の通りである。自然光が波面に入射し、屈折、回折したあと水底に設置されたビデオカメラで観測される映像を取得し、その輝度情報に対して鈴木・住野の方法を適用させ水面波形を推定した。この成果は来年度の土木学会全国大会、可視化情報シンポジウムにて発表する予定である。 ホログラフィ型波浪制御構造物関係としては、複数列配列のホログラフィ型円柱群構造物に対しての列数の波浪制御効果について9th International Symposium on Visualizationにて発表した。列数を1列から4列までに変化させ、列間隔を円柱直径の1.5、2、3倍に変化させ波浪制御効果を調べた。最大波高値をコントロールサークル内で平均化する操作をすると、波浪制御されている領域が明確になることがわかった。
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