研究概要 |
(1)個別関数の推定:生産関数、効用関数,交易モデルなどの諸方程式に含まれるパラメータの推定を行った。上記の方程式中には、データの制約のため、直接パラメータの推定ができなにものも含まれるが、間接的な方法で推定する方法を開発した.具体的には,生産関数の推定を通じて,集積の経済を表すパラメータを推定した.また貨物純流動データを用いて交易モデルを推定することを通じて,本研究における重要なパラメータである輸送費係数の推定を可能にした.効用関数のパラメータは,産業連関表の支出シェアに関するデータを用いて推定した。その他のパラメータは,来年度に全体モデルが組みあがった後,キャリブレーションを通じて推定される. (2)シミュレーションシステムの構築:本モデルは非線型の連立方程式体系であり、端点解の処理も含まれるので独特の解法が必要である。問題の性質に応じたコンピュータプログラムの開発を行った.仮想的な地域システムを対象としたテスト・シミュレーションを行ったところ,いくつか課題も残されたが,ほとんどのケースで均衡解への収束が達成できた.しかしこれは来年度においても引き続き検討すべき課題である. (3)昨年度までに得られた研究成果を,1999年11月にカナダのモントリオールで開かれた国際地域学会北米大会において報告し,参加者から有益なコメントや批判を受けることができた.
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