| 研究概要 |
(1)ドライバー系の事故リスクネット開発:前年度,減速のアルゴリズムと環境要因の組入れを課題とした.まず,地点の危険度を,トークンによる事故誘因の発生と,カラートークンによるリスク度の確率化で組入れた.そして,ドライバー系ネットでは,それをミス直結トークンとリスクトークンに分けて,後者については,正常な判断・指示によるブレーキングと,判断ミス,指示ミスを内包する形にした.また,警戒心の持続はミスの顕在化を抑制するとし,動的な抑止関係で組入れた.このネットで,地点の危険度とドライバー持性に応じた事故リスクの表現,ブレーキングによる追突回避性とその逆の被追突リスクの組入れ,警戒心の持続効果の考慮が可能となった.
(2)単路部での追突事故シュミレーションの実施:追突事故には車両の走行速度と車間間隔が関係する.そこで,まず,この面でのペトリネット交通流シミュレーターの拡張化を行い,加速希望の確率化アルゴリズムを組み入れた.そして,最高速度を40kh/mとし,最小車間間隔に対応する閉塞区間長を6.7mと10m,加速希望を100%とする従来型と抑制する確率型の組み合わせでシミュレーションを実行し,最小車間の拡張化と加速希望の抑制化が平均事故率を低減化させることを示した.また,警戒心の持続が事故率の低減化に大きく寄与することも示した.
(3)事故対策と今後の課題::車間間隔は,シミュレーションでの実現車間間隔との関係も調べ,平均車間間隔は加速抑制型のほうが大きくなるが,実現最小車間間隔は逆に小さく危険となり,事故対策案の議論での指標の見直しが課題となることを示した.つぎに,ドライバー要因は事故原因の90%を占めており,高齢者の交通行動の調査を行い,その特殊性を示したが,その反映化と交差点での事故シミュレーション開発も今後の問題である。
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