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1999 年度 実績報告書

クリプトスポリジウム原虫の3層内挙動と砂ろ過における高レベル処理に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10650536
研究機関北見工業大学

研究代表者

海老江 邦雄  北見工業大学, 工学部, 教授 (10001223)

キーワードカオリン / クリプトスポリジウム / 蛍光ビーズ / 砂ろ過 / ゼータ電位 / pH / ぽり塩化アルミニウム(PAC) / ろ速
研究概要

水道水に起因するクリプトスポリジム感染症は1980年代から頻発している。これを抑制するためには、凝集および砂ろ過による固液分離効率を現状の2.5〜2.7logから4log程度に向上させることが重要である。
本研究では、凝集および砂ろ過における当該原虫の除去挙動を把握するために、原虫モデル粒子として蛍光ラテックスマイクロビーズを用いて基礎的実験を行っている。その結果、以下のような諸知見が得られた。
(1)pHに伴う蛍光ビーズのゼータ電位の動きは、カオリンなどの濁質や実際の原虫などのそれと概ね類似する傾向を示した。また、同ビーズの凝集沈殿処理性はカオリンのそれと類似しており、カオリン共存時における最適凝集のpHは6.4〜7.2であった。
(2)蛍光ビーズを用いたろ過実験では、直接採砂・振とう剥離処理などの後、落射型蛍光顕微鏡下で試料中のビーズを計数する手法を考案した。この手法によるビーズの回収率は90.5〜96.4%と非常に高く、ビーズのろ層挙動を解明するのに有効である。
(3)蛍光ビーズのろ層内挙動に関しては、ろ層が未熟なろ過初期に流出し易いこと、原水の酸性化やろ速上昇時に、濁質に随伴して流出することなどを明らかにした。
(4)急速ろ過法によって当該原虫を高効率で分離するためには、最適のpH領域で凝集沈殿を行うこと、原水条件や運転条件の変動をできる限り避ける他、ろ層が未熟なろ過初期を含めた全ろ過過程において、流出濁度の低減化のために、ろ材の凝集剤被覆などの工夫をすべきことが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 海老江 邦雄: "原虫のモデル粒子を用いた凝集および砂ろ過の基礎的検討"土木学会北海道支部論文報告集. 第54号(B). 644-649 (1998)

  • [文献書誌] 海老江 邦雄: "カオリン、フミン酸と共存するクリプト原虫モデルの凝集・砂ろ過挙動"土木学会北海道支部論文報告集. 第55号(B). 718-723 (1999)

  • [文献書誌] Ebie, Kunio: "Removal Mechanisms of Fluorescent Latex Micro-beads Used as a Surrogater of Cryptosporidium Oocysts inside Deep Bed Filters"7th IAWQ Asia-Pacific Regional Conference, Asia Waterqual '99, Conference Preprint. Vol.1. 340-345 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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