研究課題/領域番号 |
10650537
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
池本 良子 金沢大学, 工学部, 助教授 (40159223)
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研究分担者 |
谷 欣也 国立, 石川工業化高等専門学校, 助手 (80290740)
小森 友明 金沢大学, 工学部, 教授 (50019725)
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キーワード | 活性汚泥 / 流酸塩還元 / 鉄還元 / バルキング / りん除去 / 脱窒 / 硫黄酸化 / 凝集剤 |
研究概要 |
本研究は、安定した栄養塩除去とバルキング抑制のために、活性汚泥中の鉄の酸化還元、硫黄の酸化還元および窒素の酸化還元を担う細菌とリン除去を担う細菌の相互作用を明らかにすることを目的として実験的に検討を行った。 まずはじめに、活性汚泥内の鉄還元反応が微生物反応であることを示し、脱窒、硫酸塩還元および鉄還元の相互作用を検討した。その結果、これらの反応は熱力学的優位性の順すなわち、脱窒>鉄還元>硫酸塩還元で起ることから、これらの微生物による基質の競合があると判断された。また、硫酸塩還元は鉄還元やpoly-P蓄積細菌によるりんの放出を促進することを明らかにし、これらの細菌への低分子有機物の供給を担っていると推定した。また、都市下水処理場の活性汚泥内でのこれらの活性を比較した結果、脱窒、硫酸塩還元、鉄還元の順に活性が高かった。しかし、流入下水中の鉄濃度は硫酸塩濃度と比較すると極めて低異にもかかわらず鉄還元活性は、硫酸塩還元活性の約半分を示したことから、鉄塩を添加することにより、熱力学的に有利な鉄還元が優先化し、硫酸塩還元が抑制されることを説明できた。
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