研究概要 |
平成11年度は昨年度の埋立模型実験を継続し、不燃物主体に埋立処分された埋立地における亜酸化窒素の発生機構の変遷とその活性の推移について検討した。また、生物反応による亜酸化窒素の発生量を求めるためにカラム実験を行い、この結果と昨年度に求めた化学反応による亜酸化窒素の発生量から、一般廃棄物の埋立地からの亜酸化窒素の発生量の推計を行った。以下に平成11年度に得られた結果をまとめる。 (1)不燃物主体の埋立地における亜酸化窒素の生成機構は、化学的還元反応から生物的硝化及び脱窒反応へと移行する。 (2)亜酸化窒素の生成活性は、酸素分圧が低い埋立構造の方が高い。 (3)亜酸化窒素が生成される場合、アンモニア酸化細菌が増加し、アルカリ度も消費されることから、生物的硝化反応の寄与が大きい。 (4)生物的硝化過程における全窒素減少量に対する亜酸化窒素の発生割合は0.35%である。 (5)(4)の生物的硝化反応での亜酸化窒素発生割合と昨年度に実施したバッチ振盪髄実験より求めた化学的還元反応での亜酸化窒素発生割合から、1984年〜1993年の10年間における一般廃棄物埋立地からの亜酸化窒素の発生量は165〜471t・N_2Oと推計された。この値は、二酸化炭素(2,070,000t・C)やメタン発生量(370,000t・C)の1/10000〜1/1000である。 (6)焼却残渣を埋立処分した場合、埋立層内を好気的にし、破砕不燃ごみ等の他の廃棄物と混合することによって亜酸化窒素の発生量は削減される。
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