研究概要 |
大都市圏における固形燃料の利用の可能性を検討するため,福岡市をモデル都市として固形燃料の利用形態の可能性と問題点について、アンケート及び固形燃料利用状況等から検討した。固形燃料の利用施設として、ボイラー等を使用している一般企業や公共施設等を中心にアンケート調査と固形燃料利用施設へのヒアリング及び文献調査を実施した。固形燃料の利用条件には(1)大量に長期的に利用する施設,(2)RDFを使用するための専焼ポイラや他の燃料と混焼可能なボイラを所有する施設及び燃焼炉の新設又は改造計画のある施設,(3)利用先でのRDFの燃焼に伴う排ガス等の環境対策が十分可能な施設等が挙げられる。本年度の調査で、現在固形燃料を利用している施設での問題点は、固形燃料の安定供給とトラブル発生時のバックアップ用ボイラーが必要であること及び、残渣の処理と環境対策であった。また、実施したアンケート調査は福岡市内の病院,熱供給業,製造業,教育機関,ホテル業,ビル管理業等でボイラー(規模150l/日以上)を所有する事業所にRDFへの関心と使用の可能性について実施(アンケートの回収率44%)した。(1)事業所の72.7%が固形燃料を知っていた。(2)条件次第で燃料として使用する意志がある事業所は極めて少なく、ほとんどの事業所で固形燃料を使用する意志がなかった。(3)固形燃料を使用するための条件は、基本的にはコストの係らない既存施設対応型での固形燃料使用可能な事や、焼却残渣の市町村の受入れが求められていた。(4)固形燃料を使用する意思がない理由として固形燃料を使用する施設がない点や、施設の改造によるコスト問題,労力と人件費上昇,工場周辺への気遣い及び固形燃料の保管方法等があった。
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