研究概要 |
地域気象モデルから得られる雲・降水を含む詳細な微気象データとOn-Lineで利用する物質輸送モデルの新展開を目指すものである。具体的には,本研究ではコロラド州立大学で開発された地域気象モデリングシステム(RAMS,Regional Atmospehric Modeling System)を発展させるとともに,RAMSと同時に動くOn-Line Transportモデルを開発・応用し,総括的気象・物質輸送モデルの確立を目指す。 今年度は、地域気象モデルRAMSの改良と応用について、東アジア域の数ヶ月の地域気象・気候計算を行い、日本域についてはアメダス観測値、降水量については気象庁のワールドデータベースと、米国のCMAPデータベースと比較し、モデルの妥当性の検証を行った。昨年度に進めた環八雲の生成に関する研究は、気象学会の天気に論文として投稿した。 一方、On-Line物質輸送モデルについては、RAMSとリンクした東アジアスケールのサルフェートと黄砂の輸送過程のモデル開発と応用を進め、1993年1月と5月のサルフェートの地域分布と乾性・湿性沈着量を観測値と比較し、総観スケールの天気変化との関係を解析した。黄砂については、1998年4月に日本域で広範囲に観測された黄砂現象を中国大陸で発生した寒冷渦の移動と関係して詳細に解析を行った。
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