1. 各種骨材を用いた既往の凍結融解試験データの検討から以下のことが明らかとなった。 (1) 粗骨材の種別は、コンクリートの耐凍害性に大きく影響する。 (2) 比重・吸水率等の粗骨材の基礎物性だけでは、それを用いたコンクリートの耐凍害性をうまく説明できない。 2. 石灰石粗骨材と安山岩粗骨材を用いたコンクリートの比較実験を行った。この結果、石灰石粗骨材のコンクリートは、安山岩を用いたものに比べ、次のような傾向がある。 (1) 同じ空気量を連行するのにやや多くのAE剤を必要とする。 (2) 硬化後の空気量の減少が大きい。 (3) 同じ耐凍害性を得るのに、やや多くの空気量を必要とする。 3. 全国各地から石灰石を取り寄せ、基礎性状とこれを用いたコンクリートの耐凍害性を検討した。この結果、石灰石の特徴として以下のようなものがある。 (1) 産地が異なっても比重・吸水率等の基礎性状の値は大きく変わらない。 (2) 熱膨張係数は、他の骨材に比較すると小さい。 4. 石灰石の特徴のひとつに石粉が多いことがあり、石粉がコンクリートに及ぼす影響として以下のようなものがある。 (1) 石粉が多くなると、硬化後の空気量の減少が大きくなる。 (2) 同じ空気量の場合、石粉はコンクリートの耐凍害性はを向上させる。 (3) 石粉の多いコンクリートの耐凍害性は、(l)と(2)のプラスマイナスの効果により決まる。
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