研究課題/領域番号 |
10650554
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山田 大彦 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (90005471)
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研究分担者 |
藤本 勝成 東北大学, 大学院工学研究科, 助手 (50271888)
源栄 正人 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (90281708)
植松 康 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (60151833)
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キーワード | 大空間構造 / 地震入力の空間変動 / ウェーブパッセジ効果 / サイトレスポンス効果 / 不整形地盤 / 1次元波動伝播理論 / 2次元波動伝播理論 / 上下方向応答 |
研究概要 |
近年大空間構造の大規模化が進んでいることから、地震入力の空間変動を考慮することの必要性に注目し、地上に直接建設される単層ラチスドームを想定し、解析した。数値解析には、今年度科研費補助金にて購入したパーソナルワークステーション(日本DEC社製)を用いた。 ウェーブパッセジ効果については、地表面における見かけのせん断波速度から求められる位相差の影響としてとらえ、(1)位相差の広い範囲で応答倍率の増幅が顕著である、(2)ドームのスパンに対して位相差が2πとなる場合に応答倍率が最大となる、(3)入力の空間変動としての位相差は、水平入力に対する上下方向の応答を増幅させる、(4)一様水平入力では現れない頂点の上下方向の応答が顕著に現れる、(5)ドームの固有振動数は高次まで近接している点に特徴があるが、60次を越える1次固有振動数の2倍に至る振動数の応答に影響する、等を明らかにした。 サイトレスポンス効果については、ドームの中心で見て非対称な2種類の不整形地盤と対称な2種類の不整形地盤をモデルとし、柔らかい地盤の深さをパラメータとして系統的に解析した。基準面への入力は鉛直方向とし、1次元波動伝播理論を適用した場合と2次元波動伝播理論を適用した場合について検討した。ドームへの入力は地表動を直接入力し、相互作用の影響は無視した。地盤の解析手法については、対称な不整形地盤の場合、地表動の上下動を評価できる2次元波動伝播理論による解析が必要であるが、非対称な不整形地盤の場合、1次元波動伝播理論による解析により概ね応答評価が可能であることを明らかにした。非対称な不整形地盤の場合の応答解析より、(1)地表動は位相差成分と振幅成分の空間変動を有する、(2)位相差成分は特に対称な上下応答をウェーブパッセジ効果より大きく増幅させる傾向を持つ、(3)入力として実地震波を用いて得られる加速度応答フーリエスペクトルは、正弦波入力による応答特性と同様の特性を示す、(4)応答は柔らかい地盤のある深さで最大となる、等を明らかにした。
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