平成10年度は、建築仕上材料の対落書き性を評価する評価項目及び評価方法の確立を目的とし、(1)落書きの実態調査、(2)施設管理者・清掃業者への落書き対策の現状、(3)市販されている落書き対策材料の調査を実施し、(4)評価項目及び評価試験方法の試案を作成した。 (1)落書きの実態調査では、千葉県船橋市内を対象とし落書きの実態を整理・分析した。その結果をまとめると、(1)落書きに使用される筆記具は、マーキングペン、ラッカースプレーが非常に多く使用されている。(2)ラッカースプレーの色は黒、白、赤、青色がほぼ同程度使用されている。(3)マーキングペンでは黒色がほとんどを占めている。(4)落書きには単色の場合がほとんどであった。 (2)管理者・清掃業者等へのヒアリングを4管理団体、清掃業者1社を対象とし行った。その結果、施設管理者は、そのほとんどが落書きに対する対策等を行っていないことが判明した。また清掃業者が実施している落書き除去方法・対策等の実態を取りまとめた。(3)市販されている落書き対策材料の調査では、7社13製品について、材料の形態・特徴・推奨する下地材料・落書き除去方法・価格等を整理・分類した。これらの研究成果に基づき、(4)評価項目及び評価試験方法のための落書き方法、落書き除去方法、評価項目について試案を作成した。しかし、この試案は、実施上不備も多く、最終的な提案は来年度課題としたい。
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