打放しコンクリートの表面・表層部が耐久性や意匠性に関わる極めて重要な部位であることに着目し、補修再生工法の基本構想の具現化と乱流の数値シミュレーションによる表面汚染の発生機構の定量化について実験・解析を行い、以下のことが明らかになった。 1)とりわけ耐久性に関わる物性(中性化、塩分、付着、収縮など)の観点から、ポリマーセメントモルタルの材料・調合について実験検討し、中性化の抑制効果、付着の向上性、収縮の低減性を見出すとともに、それに付加する表面処理の有効性を確認した。 2)塵埃や微生物などの付着による汚れおよびエフロレッセンスによる汚れを分類整理し、その汚れ形状が入隅、出隅などコンクリート建物の部材形状に支配されることから建物形状別の風速分布を解析、さらに汚れ粒子をモデル化したスカラー輸送方程式を解くことで、コンクリート建物の表面汚染を予測できることを提示した。
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