コンクリートの表面・表層部が打放しコンクリート構造物の耐久性や意匠性に関わる極めて重要な部位であることに着目し、新潟、浜松および沖縄地域における2年間の暴露実験結果から表面仕上げを施すことの有効性を確認した。 なかでも地域別での色差の測定結果では、概して気候に支配され、浜松、新潟、沖縄の順に色差は大きくなった。 沖縄における塩分侵入の実験では、表面仕上げによる抑制効果は認められたが、材料工法の種別においては相違が認められた。 そして、本研究の最終年度であることから、既に基礎的実験により明らかにした補修再生工法に供する材料性能や実態調査結果、さらには表面汚染の発生機構の定量化などの研究成果を踏まえ、1.打放しコンクリートの表面・表層部の不具合および劣化事象2.表層部の密実性と表層特性3.表面汚染発生(経年劣化)機構の定量化4.意匠性の回復および耐久性の向上に関する対策について総括し、打放しコンクリート建物の表面・表層部の補修再生工法を提案した。
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