都市構造に関する情報のうち、市街地の密集の状況や可燃性を示す指標である「木造率」は、防災計画立案において重要である。本研究は木造率の分布情報を衛星リモートセンシングデータから取得することを目的として、平成10年度は下記の準備作業を行った。 (1) 土地被覆状況の調査として、本年度は主に阪神・淡路大震災で大きな被害のあった兵庫県芦屋市を中心とした、空中写真から読み取られた緑地、建物、空地、その他の土地被覆情報を収集した。 (2) 建物種別による市街地の分類に関する研究を行っているスイス、バーゼル大学のパーロウ教授に研究計画のレビューを頂いた。建物の構造別熱容量の差異に着目した本研究の手法のほか、日影の影響から建物規模、建物高さ、空地の地域特性も加味すべきとの示唆を頂いた。 (3) 1994年に研究代表者が行った熱環境実測調査の結果から、新たに建物構造別表面温度経時変化に関するデータベースを作成した。また解析に用いる衛星データをPCでの解析を行うため、MTからCD-Rへ記録媒体の変換を行い整理した。
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