1.はじめに 室内の揮発性有機化合物の濃度を予測する際、吸着、再放散の影響を考慮する必要があることが多くの研究より報告されている。また、Sink効果を考慮した実験や理論式について検討が行われているが、いずれも数時間から数日間の効果についてのみ検討しているだけである。しがし、実居住空間は数年から数十年という寿命を持ちで、それについて検討が行われていないのが現状である。 そこで、本研究では年単位におけるSink効果が室内濃度に及ぼす影響について検討を行う。 2.実験概要 1年間定温で換気を行ったチャンバー内に放置した、建材に4種類の揮発性有機化合物をそれぞれ3つの濃度に曝露し、それぞれのSink効果について検討した。 また、Sink効果を利用した吸着剤について検討を行った。 3.結果 本研究では以下の知見を得た。 Sink効果は温度、曝露濃度に依存することが分かった。 Sink効果を考慮した室内濃度予測式を提案した。 Sink効果を利用した吸着剤の効果としては、吸着剤の量に対しその効果は指数関数的に大きくなるが、ある量を境に吸着平衡をおこすことが分かった。
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