研究分担者 |
郷田 桃代 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (50242128)
及川 清昭 東京大学, 新領域創成科学研究科, 助教授 (00168840)
藤井 明 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (20126155)
大河内 学 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (20302630)
今井 公太郎 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (20262123)
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研究概要 |
現在までの都市空間の記述は,街路網や建築群の構成などといった空間の物理的状況の表現(例えば,モノ的表現)としての「地理情報」の記述と,そこでの交通・流通の様相,経済活動などの社会的状況の表現(例えば,コト的表現)としての「社会活動情報」の記述に分ける形で行われてきたといえるだろう.しかし,現代都市においてはこれら空間の物理的状況と,社会的状況とはもはや不可分であると考えられ,これらを総合的に記述する論理的方法を見出すことは都市の状況の総合的な観察法を提供するであろうと同時に,その新たな都市の見方自体が新しい都市のありさまを誘導することであるとも考えられるのである. 本研究では,工学の立場から主になされてきた「都市空間の物理的記述(モノとしての都市の記述)」を「コト」の側面に拡張する形で新たな都市記述の方策を模索した.都市を物理空間における「出来事の集積」とみること,または「都市の事象性」を重視する観点の基礎的方法に関して探求している. ここではその題材として,都市における「テナント」の生成・消滅・変遷を「都市的出来事」の例として注目した.毎年刊行される都市の電子住宅地図をその「出来事」の基礎データとして採集し,それらの経時的データへの構成法を創案した.また,テナントの寿命確率をモデル化し変数とすることによって東京中心部(ほぼ山の手線内全域)の全領域を6年間にわたるテナント変遷に関する「出来事」を観点として総覧した.
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