本年度は、住宅産業界における(1)技能者の参入、配置の実態把握、(2)技能者の育成・雇用に関わる費用の実態把握、に重点をおいた。主な研究成果は以下の通り。 (1) 住宅産業界が求める技能者像の変化の理論的検討 技能論などの文献を収集整理することによって、住宅産業界が近代化、工業化の流れの中で必要してきた技能者像の歴史的変化について理論的な検討を行った。具体的な検討課題は次の通り、「技能」と「技術」、技能者像の歴史的変遷、新築工事とリフォーム工事、大企業と中小企業などである。 (2) 住宅産業における技能者の参入、配置および育成の実態調査 国勢調査や事業所統計および既存の実態調査をもとに技能者の配置および育成状況の現状を把握した。主要な成果は以下の2点である。 (1) 住宅産業全体としての技能者の参入、配置の実態調査:小規模工務店、中規模工務店、地域ビルダー、住宅メーカーなどの業態ごとの技能者の参入、配置、育成の状況をマクロに整理検討した。 (2) リフォーム工事における技能者像の調査:典型的なリフォーム業者のヒアリング調査を通じて、リフォーム工事のタイプ毎の必要技能者像およびその配置状況を把握した。 (3) 住宅産業の業態毎の技能者育成費用・雇用費用の実態調査 典型事業主のヒアリング調査を通じて、住宅産業の業態毎に負担している技能者の育成および雇用にかかる費用の実態把握を行った。
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