研究概要 |
本研究において得られたおもな成果を以下に示す。 1.全国の単位制,総合学科,総合選択制を導入している高校に対し,学校概要,教育活動の特色,施設面の整備状況などについての資料を収集し、新しいタイプの高校におけるソフト面(学科構成、学級数・生徒数、教科選択の実態)とハード面(施設の面積、教室の種類と数、建築年)の特性を明らかにした。 2.新しいタイプの高校を対象にした,教育活動の特色施設面での特色,ホームルーム関係を中心とした施設の利用状況などについてのアンケート調査の結果、現状では従来の校舎をそのまま使用している高校が多く、選択科目の増加に十分に対応できていないこと、少数であるが教科教室,ホームベース、メディアセンターなどの新しい室・スペースを整備している事例がみられることなどを明らかにした。 3.教科教室,ホームベースなどの新しい室・スペースを整備している事例を抽出し、資料収集、現地調査により各スペースの規模、配置、形状、設備などの物的特性を把握した。また、課程、学級数、設置年などの高校の属性との関係を明らかにした。 4.特色のあるスペースをもつ高校を対象にした調査の結果、新たな室・スペースを設置したことによる問題点は少ないが、計画意図通りに使いこなされておらず、規模拡大のコストに見合う効果は必ずしも十分にあげられていない高校が多い。また、教員側の要望も取り入れられておらず、高校教育の変化に対応していない点もみられた。今後は現実のカリキュラムの変化などのソフト面の検討や教員の要望に基づいて計画を進めることのできる計画プロセスの確立が重要であることが示唆された。
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