研究概要 |
経路探索(wayfinding:目的地を目指して移動する行動)を考慮した空間デザインを行うために、スペースブロックとイベントアイコンの概念を使って設計手法を開発してきた。この手法の有効性を確かめるため、国内、海外の三次元的に複雑な商業空間の代表的事例の網羅的調査を行い、この手法の枠組みを用いて分析を試みている。 初年度は、以下のように商業空間のデータ収集、一般的なデパートのイメージについてのアンケート調査の分析、設計手法の理論的考察について行った。 1) 以下にあげる国内外の代表的デパートの店内案内図等の資料収集、および店内外の写真撮影国内事例(東京、名古屋、大阪、仙台、博多の主要デパート) 海外事例(ロンドン(HARRODS,LIBERTY,SELFRIDGES,FORTNUM&MASON)、パリ(LE BON MARCHE,SAMARITAINE,BAZAR DE L'HOTEL DE VILLE(BHV),GALERIES LAFAYETTE,PRINTEMPS)、フランクフルト(KAUFHOF,ZEILGALERIE)) 2) 昨年度に実施したデパートのイメージに関するアンケート調査(東京、名古屋の女子大学生を対象)のデータを集計し、デパートのスキーマにについて考察を行った。 3) スペースブロックとイベントアイコンによる場面のデザイン手法の整備。 空間を表す表記法としてスペースブロックと、人の行動や偶発的な出来事を表すイベントアイコンとを使って場面をデザインする方法で、これを商業空間におけるさまざまな場面に対して適用し分析をしている。
|