(目的)本研究はその公的環境の中で駅ターミナル施設に着目し、情報(視覚・聴覚)障害者の探索行動の特徴を明らかにすることを目的とした。 (方法)具体的には、視覚障害者・聴覚障害者および比較のための健常者の探索行動実験を行い、情報(視覚・聴覚)障害者の探索行動の特徴を分析した。特に探索行動時の探索方法の内容および情報入手の状況を整理し、そのデータを基に被験者相互の迷い行動を比較分析した。 (結論)結果として、以下の点が整理された。 (1)情報障害者は、入手情報が制限されるものの、適切に情報が提供されれば、迷うことなく目的のプラットホームに到達する事ができる。 (2)むしろ、健常者の方が複数の情報が入手可能なため、色々な行動が誘発されやすく、結果的に「迷い」が大きくなるケースが多くあった。 (3)聴覚障害者は健常者に類似した傾向があるものの、補足データとしての聴覚的な情報が乏しく、迷いやすく、状況判断しにくく慎重な行動になる傾向がある。 (4)視覚障害者は点字などのサインよりも、その場所に置かれたもの・機器を手がかりとし、場所・方向を認知して行動する傾向がある分かった。 (5)視覚・聴覚共に情報障害者は、探索途中で適切な情報入手ができずに迷いが生じた場合に大きな問題が生じ、どのように迷いからブレイクスルーするかが重要な要件となる。
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