本研究は近代建築史の総合的把握の上に立って、その保存の理念と実際的体制を提言してゆくことを意図して計画された。具体的には近代建築保存の理論を、 1)個別の事例にしたがって提言する作業、 2)近代化の背景となった日本近代の歴史の解明、 3)1990年代の日本における建築保存の潮流の整理、 の3点の作業がなされた。 この内容は成果報告書として取りまとめられている。 (『日本における近代建築保存の理論的研究』) 同時に、近代建築保存の国際的組織であるDOCOMOMOの運動への参加と、日本における近代建築リストの作成、そうした建築の展示を行う展覧会の開催も行った。無論これらは他の研究者たちとの共同による作業である。そのなかで、本研究代表者はDOCOMOMO JAPANの代表をつとめ、また日本の近代建築の関するDOCOMOMO展の実行委員長を務めた。これに付随するカタログもまとめられている。
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