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1998 年度 実績報告書

日本の絵画に見られる建築空間の表現方法に関する図形科学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10650634
研究機関熊本大学

研究代表者

植田 宏  熊本大学, 工学部, 助教授 (00117334)

研究分担者 北野 隆  熊本大学, 工学部, 教授 (70040409)
キーワード日本絵画 / 建築空間 / 図形科学 / 吹板屋台 / 視線方向 / 斜線 / 俯角
研究概要

平安時代末期から鎌倉時代初頭頃製作の「華厳五十五所絵巻」(東大寺、藤田美術館、上野家、旧友田家、東京国立博物館に所蔵。)について、続日本の絵巻(中央公論社刊)から平行投象的手法によって描かれたデータを採取し、三次元建築空間の表現を斜線角度により分類・整理・分析し、次の結論を得た。
1. 構図について概観すると屋外の情景が多数を占め、吹抜屋台の場面はない。また人物の表現は引目鉤鼻の手法を用いず、豊かに表情を描いている。
2. 全55景の中で33景に描かれる矩形が想定される建築物・調度50の内49について、斜線によって表現される空間表現を分類すると、右斜線図25(51.0%)、左斜線図10(20.4%)、両斜線図11(22.4%)、透視図的図3(6.1%)。片斜線図の割合が多く(71.4%)、その中で、右斜線図の割合が多い(71.4%)。
3. 上述49標本の角度について、右斜線図の角度平均43.5°。左斜線図の角度平均41.7°。両斜線図において、左斜線の平均角度28.7°。右斜線の平均角度15.0°。また、平行に描かれるべき線の角度の分散が大きい。
4. 上述49の内、正方形が想定できる標本について視線方向の角度を計算する。右斜線図7。左斜線図4。平均は方位角20.2°。俯角19.7°。両斜線図において、右斜線からの方位角45°以内のもの9。左斜線からの方位角45°以内のもの2。平均は方位角29.6°。俯角20.2゚。片斜線図の俯角の範囲(14.8°〜24.6°)は、両斜線図の範囲(11.5°〜28.2°)より狭く、視線の方向が安定している。
(*実施計画で使用した力ヴァリエ投象、ミリタリ投象、軸測投象等の用語について、自然科学的な表現が必ずしも適切でないとの判断から片斜線図、両斜線図等と読み替え、分類することとした。)

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 植田宏,北野隆: "「華厳五十五所絵巻」における建築空間の表現について-絵画における空間表現(7)-" 日本建築学会九州支部研究報告 3 [計画系]. 38. 425-428 (1999)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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