研究課題/領域番号 |
10650643
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研究機関 | 奈良国立文化財研究所 |
研究代表者 |
浅川 滋男 奈良国立文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 遺構調査室長 (90183730)
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研究分担者 |
武藤 康弘 東京大学, 埋蔵文化財調査室, 助手 (80200244)
蓮沼 麻衣子 奈良国立文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 研究員 (50300736)
西山 和宏 奈良国立文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 研究員 (10290933)
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キーワード | 竪穴住居 / 空間分節 / 象徴的二元論 / 埋甕 / 石棒 / 貼り床 / ベッド状遺構 / 火の中心性 |
研究概要 |
本研究の課題は、竪穴住居内部の床面の状況および出土遺物の検討により、炉を3方から囲むコ字形の着座領域が形成されているのかどうかを確認しつつ、住居空間を統制する空間分節軸の存否を検証することである。とくに縄文住居の場合、男性原理を反映する石棒(男根形石製品)や石柱、女性原理を反映する埋甕や土偶などの特殊遺物が住居内で数おおく検出される。このような特殊遺物の出土状況から、男女の対立と合一が住居空間にいかに投影しているのか、そのシンポリズムを空間分節の原理と絡めながら解きあかあしてみたい。本年度は竪穴住居の空間分節を民族学的に類型化したグスタフ・レンクの業績を再検討しつつ、北東アジアのツングースおよびニブヒ、アイヌなどの「古アジア語族」の住居にみられる空間構成の原理を分析した。また、北米先住民については、98年9月23〜30日にバンクーバーとシアトルの大学・博物館を訪れて資料を収集するとともに、サイモン・フレーザー大学のブライアン・ヘイデン教授から竪穴住居の空間構造と廃絶過程に関する講釈をうけた。縄文時代の竪穴住居については、とくに残りのよい焼失住居址を対象し、データシートを作成し、北海道・北東北からデータ・ベース化を進めている。これら焼失住居のデータにもとづき、岩手県御所野遺跡(縄文中期)、富山県北代遺跡(同)、鳥取県妻木山遺跡(弥生後期)の土葺き竪穴住居の建築構造と内部空間を具体的に復原した。
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