研究課題/領域番号 |
10650643
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研究機関 | 奈良国立文化財研究所 |
研究代表者 |
浅川 滋男 奈良国立文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 遺構調査室長 (90183730)
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研究分担者 |
武藤 康弘 奈良女子大学, 文学部, 助教授
蓮沼 麻衣子 奈良国立文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 研究員 (50300736)
西山 和宏 奈良国立文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 研究員 (10290933)
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キーワード | 竪穴住居 / 空間分節 / 北方ユーラシア / 象徴的二元論 / 縄文住居 / 性差 / 朝鮮半島 / 済州島 |
研究概要 |
これまでの研究成果を「竪穴住居の空間分節」と題する論文として公刊した(『古代史の論点』2、小学館、2000)。北方ユーラシア諸民族の住居では、炉を囲むコ字形の着座領域が形成され、炉を中心にして縦横二つの優劣概念が織り重なり、空間全体を四つの領域に分割し秩序づけている。日本の竪穴住居址でも、貼床・ベッド状遺構・植物質堆積の分布などから、コ字形着座領域の存在を証明できる。さらに、石棒や埋甕など、性差を鮮烈に表現する遺物の出土状況から、縄文住居の空間分節を復原した。 焼失住居については、御所野遺跡で焼失実験と復原建設を進めた。また、現在、日本で最古の焼失竪穴住居址とされる福岡市の大原D遺跡の調査にたちあい、具体的な復原の方向性を示した。国内では北海道・東北地方の焼失住居址データを集成しつある。北海道では擦文文化、東北地方では平安時代の遺構が非常に多く、今後、両者の復元を進め、構造の比較検討を試みたい。また、北海道常呂チャシで発掘されたオホーツク文化の焼失住居址についても、上部構造の復元研究を進める予定である。国外では朝鮮半島の住居に目をむけた。1999年7月に釜山と済州島を訪れ、現存民家の資料を収集するとともに、発掘住居址についても整理・分析を開始した。
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