研究課題/領域番号 |
10650646
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小尾 俶久 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80005925)
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研究分担者 |
藤森 啓安 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60005866)
池部 学 岩手大学, 工学部・材料物性学科, 教授 (40005955)
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キーワード | 超伝導 / 強磁性 / 薄膜 / 多層膜 / 臨界温度 / キュリー温度 |
研究概要 |
本研究の目的は超伝導マトリックス中に分散させた強磁性体磁性粒子の超伝導的性質に及ぼす影響を、磁性粒子の種類、粒径、分散度との兼ね合いに於いて見る事にある。我々は先ずこれれの分散系を、スパッタ法によって作製する事を試みている。そして試料を種々の条件の元で作製し、測定中である。現在作製しているNb-Fe分散系ではFeがかなり少ない状態から超伝導臨界温度(Tc)が減少し、所謂アブリコソフ-ゴルコフの理論に従ってTcは減少して行くと思われる。我々はこれらの系について熱処理等により磁性粒子の分散度、粒径等を制御して行きその時の超伝導の振る舞いを現在調べている。更に今後種々の系を選択して試料を作製していくつもりである。一方上記目的を達成するためのアプロウチの一つとして、超伝導体、強磁性体を交互に積層した多層膜を作製し、これ等においてこの問題に一つの示唆を与えるものとして取り組んでおり、これに就いては超伝導体としてはNb及びV、強磁性体としてはCoを選択し、スパッタ法によりNb/Co、V/Co等の多層膜を作製し測定を行った結果、磁性層厚の変化に伴ってTcが異常な振る舞いを示す事を見いだした。即ち超伝導体/非磁性体多層膜では起こり得ないTcの磁性層厚に対する振動現象が見いだされた。これについては是迄幾つかの報告があり、また理論的予測も行われているが我々の場合是迄の報告と違い二段変化が現れ、この現象について現在理論とタイアップして解析を進めている。今後はこの多層膜での超伝導-強磁性相関に取り組むと同時に、当初の目的であるナノ粒径分散制御型薄膜において超伝導-強磁性相関の研究を進めていく。
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