研究課題/領域番号 |
10650647
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
喜多 英治 筑波大学, 物理工学系, 教授 (80134203)
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研究分担者 |
古谷野 有 筑波大学, 物理工学系, 講師 (00215419)
谷本 久典 筑波大学, 物質工学系, 講師 (70222122)
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キーワード | ナノ結晶 / ガスデポジション / 超微粒子 / スパッタ |
研究概要 |
本研究では、ガスデポジション(GDM)法において、2種の異なる熱源から個別に超微粒子を作成し混合して2元ナノクリスタルを作成する方法を確立することを目的としている。そこでは結晶合金やアモルファス合金とは異なる新たな2種の金属の存在形態を創成できると考えている。その準備として1元系で予備実験を行った。 このことを実現するために、2つの方法を既存の装置改良により試みている。第一は2つの微粒子生成源を用いて粒子混合を行う方法である。この方法はガスデポジション法をそのまま2元系に適用しようとするものである。実際には高周波誘導加熱装置の調整と高純度ヘリウムガスの循環精製装置を整備し、所定の性能が得られた。微粒子混合の方法として基板上での直接混合をまず試みたが、微粒子束の拡がりから膜厚に偏りが生じたため、混合室を設置し、そこで混合した後に粒子を堆積させる方法に移行しつつある。現状では混合室内での分散が良くなく、均一な混合がなされていない。今後は混合室の形状の改良を行う。 第2の方法は、スパッタ法との併用により蒸発法で生成したナノ結晶粒子を母体に埋め込む方法である。直流スパッタガンを堆積室に設置するために、蒸発室の圧力を下げることと、アルゴンガス使用時の最適条件を探した。スッパタ材料には酸化度を考慮して、銀とマグネシウムを使用している。微粒子源にFe、母体材に銀を使用した実験では、母体金属の結晶は30nm程度のグレインサイズになっていることがわかった。また微粒子の搬送管の形状に酸化度が間接的に影響されることがわかった。今後、作成試料の物性について詳しく調べる予定である。
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