研究課題/領域番号 |
10650647
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
喜多 英治 筑波大学, 物理工学系, 教授 (80134203)
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研究分担者 |
古谷野 有 筑波大学, 物質工学系, 講師 (00215419)
谷本 久典 筑波大学, 物質工学系, 講師 (70222122)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | ナノクリスタル / ガス・デポジション / 超微粒子 / 軟磁性 / ランダム磁気異方性 / 巨大磁気抵抗 / 粒子混合 / スパッタリング |
研究概要 |
これまでガスデポジション法(GDM)と呼ばれる超微粒子の堆積によりナノクリスタル作成法を行い、酸化度が低く、硬度が高い単元系ナノクリスタル材料を得た。本研究では2元系ナノクリスタルを作製することにより、バラエティーに富んだ材料生成を目的とした。また基礎となる単元磁性金属のナノ結晶化の効果を詳しく調べた。 まず単元系磁性金属Niにおいて、ナノ結晶の低保磁力のモデルとして一般的なRandom Anisotropy Model(RAM)の適応性を調べた。常温で成膜した試料について作製後、400℃までの熱処理により粒径を変化させた。粒径は作成時の10nmから20nmまで得られた。保磁力は粒径の6乗にしたがって増加した後、-1.2乗に従い減少に転じた。これにより微小体領域ではRAMが適用でき、磁気異方性の平均化が保磁力変化に支配的であることを明らかにした。 2元ナノクリスタルの作製のため2種類の方法を講じた。第1の方法は2つの微粒子生成源を用い、混合する物である。CoとCu(基板上混合)、Ag(搬送管内混合)について実験を行った結果、基板上での混合ではガス流の影響が強く充分な混合ができなかった。このため搬送管内混合により試料作製を行った。その結果、前者より混合の状態は改善されたが数十ミクロンの幅で組成の変調が見られた。さらに良好な混合状態を得るためには混合器の導入が必要と考えられる。第2の方法としてガスデポジションにスパッタ法を併用してグラニュラー材料を生成する方法を研究した。強磁性金属Coの超微粒子流と非磁性金属Mg,Agのスパッタ原子を基板上で混合した。搬送管形状と非磁性金属の種類により磁性金属の酸化度が大きく依存することが判明した。混合状態も第1の方法に比べると格段に改善された。Co-Agにおいて磁気抵抗の測定を行ったが残念ながら大きな値は得られなかった。これはCo粒子直径の問題かと思われ、今後は金属微粒子の粒子径の制御と基板回転などによる均質化が課題となる。
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