研究概要 |
購入設備品(RITEC 社製ゲート付きアンプ)を主要部とした位相検出方式の超音波測定装置を組み上げた。これにより従来より使用中のパルスオーバーラップ法による測定装置と比べてほぼ100倍の精度で音速の測定が可能になった。現在水および有機液体を標準サンプルとして装置の最終的な調整と測定方法の修得を行っている。装置の組み上げと平行して従来よりの超音波測定を液体As-Te系に継続して行い、この系および液体Asの構造変化の転移点を初めて決定することができた(Ber.Bunsenges.phys.Chem.1998)。また超音波測定と相補的な情報が得られる密度測定をガンマ線法を用いてVb-Te系について行い、第10回液体およびアモルファス金属国際会議(LAMIO) (Dortmund、ドイツ)で発表した。LAMIOに参加後フランス国立化学研究所(CNRS,Marseille)、マックスプランク研究所(Max-Plank Institute.Stuttgart)でそれぞれc.Bergman博士および、F.sommer教授に「Vb,VIb元素液体の構造変化の超音波による研究計画」について説明し、それぞれの研究グループが進めている中性子回折と熱量計測の研究、及び電気化学計測の研究を基にレビューを受けた。更に、2元系の構造変化と濃度揺らぎを結ぶ普遍的な熱力学関係式を導出し、これが液体Se-Te系で成立していることを示し、J.Phys.:Condens.Matterに発表した。
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