研究概要 |
(1)MgおよびMg-Li合金における2次錐面すべりによる降伏応力 純MgおよびMg-3.5、10、12.5at%Li合金単結晶をブリッジマン法により作成し、[1120]引張試験を行った。温度77K〜293Kの範囲で、いずれの結晶とも2次錐面すべりにより降伏し、その降伏応力は正の温度依存性を示した。また10および12.5at%Li添加により、その降伏応力は大きく低下することがわかった。 (2)Tiにおける1次錐面すべりの降伏応力の逆温度依存性の研究 Ti単結晶を用い、77Kおよび293Kでc軸引張試験した結果、酵素含有量1300at.ppmの結晶ではいずれも双晶変形が生じたが、酸素含有量4300at,ppmの結晶では、293Kで1次錐面すべりにより降伏した。この結果、Tiの1次錐面すべりの降伏応力は負の温度依存性を持つと推察される。また酵素含有量が高い程、1次錐面すべりが活動的になることがわかった。 (3)EAMポテンシャルを用いた分子動力学シミュレーションによる(c+a)転位芯構造の研究 Zn,Mg,T,Beについて、EAM型の多体間ポテンシャルを採用し分子動力学計算により、(c+a)らせん転位の芯構造を調査した。その結果、いずれも0Kでは1次錐面すべりが優先するような芯構造であった。しかし、MgやBeでは温度上昇にともない2次錐面に拡張した構造へ変化し、2次錐面すべりが活動しやすくなる傾向があることが示唆された。
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