研究概要 |
高周波加熱による浮遊帯溶融法でアルミニウムを精製した。素材のサイズは直径10mm、長さ280mmであり、残留抵抗比は13000であった。帯溶融は周波数200kHz、電力3kWで行い、溶融部の輻は約30〜50mmで、移動速度は70mm/hであった。帯溶融精製時の真空度は6×10^<-6>Paで、繰り返し10回パスさせた。その結果、残留抵抗比35000のアルミニウムを得た。 さらに、より大量の超高純度アルミニウムを得るために、超高真空溶解炉による精製を行った。素材の形状は直径60mm長さ100mmの円柱で,溶解は真空度2×10^<-7>Paの超高真空雰囲気で行った。溶解後は徐々に冷却し,結晶の粗大化を計った。その結果,素材の抵抗比約5000に対して,約20000のアルミニウムを精製できた。溶解後は一部に直径約60mm長さ約50mmの粗大化した結晶粒が形成されており,その単結晶の転位密度はl0^7m^<-2>程度の低いものであった。このような結晶は、いわゆる高完全度結晶であり、帯溶融することなしに、ただ一回の超高真空溶解で高完全度アルミニウム結晶を得ることに成功した。また、GDMS法により残留不純物を分析した結果、素材に対し溶解後の残留不純物は1/3に減少しており、分析結果と残留抵抗比とは良く一致していた。そして、超高真空溶解においては、分配係数が1より小さい元素の精製効果が顕著であることを見出した。 超高純度アルミニウムを用いたカルシウム二元合金の調製を行い、分布状態の良い試料を得た。
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