市販のカーボンファイバーの破断面強度が複合応力(ねじれと引張り)の下で測定された。即ち、カーボンファイバーは其の軸のまわりの数十回転させた後、引張り測定を行った。破断強度は回転数の増加と共に急激に減少し、破断面も軸に対し傾斜した。低剛性のピッチ系カーボンファイバー(日本グラファトファイバー製:XN-05)の測定結果は、部分的な引張り応力が応力限界に達したときに破断が起こると仮定したときの理論値とよい一致が得られた。この事実はこのファイバーが非晶質であるために等方性であると取り扱うことができた所以である。一方、異方性グラファト層をもつパン系カーボンファイバー(日本カーボン製:M60J)の結果は理論的計算値より低い値となった。
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