研究課題/領域番号 |
10650680
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
塩田 一路 工学院大学, 工学部, 教授 (90255612)
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研究分担者 |
海部 宏昌 東京都立大学, 工学部, 助手 (40224331)
鈴木 敏之 工学院大学, 工学部, 教授 (90206508)
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キーワード | 熱電発電 / 傾斜機能材料 / ガストランスポート法 / FGM熱電素子 / 単結晶育成技術 / 熱電材料接合技術 |
研究概要 |
1. Bi_2Te_3系および、PbTe系熱電材料の気相からの単結晶育成 1-(1)ガストランスポート法による結晶育成 ガストランスポート炉によって、n型PbTe単結晶を作製を試みた。この方法では従来ドープ剤無添加のPbTe材料しか得られなかったが、本研究によりドープ剤としてPbl_2を添加した高キャリア濃度のn型PbTe単結晶を作製することができた。得られた単結晶は、背面反射Laue斑点写真から、単結晶成長面は(100)面であることがわかった。 2. 焼結体を用いたFGM熱電素子の開発 2-(1)ホットプレス法によるBi-Te系材料、Pb-Te系材料セグメント型FGMの作製 ホットプレス法によりBi-Te系、Pb-Te系のそれぞれについてp型、n型の焼結体を作製した。これらの単体は、一般に報告されている特性と同様ゼーベック係数が50〜100K程度の温度領域で極大値を示した。 これらを用いてFGM熱電素子の基礎となるセグメント型接合体を作製した。Bi-Te系、Pb-Te系をセグメント型接合体とすることで、低温側ではBi-Te系が、高温側ではPb-Te系が有効に働き、単体では不可能だったR.T.〜550Kにわたる広い温度領域での高いゼーベック係数を示すことができた。 2-(2)キャリア濃度の異なる焼結体のFGM化 FGM形成におけるろう材として要求される特性は、熱および、電気抵抗が小さく、経時変化がないことである。これらの条件を満たす候補として、Pb-Sn、Bi-Ag、Te-Ag、Au-Biついて検討したところ、Te-Ag、Au-Biについては良好な接合状態を確認できた。しかし、他の合金については界面反応等による熱電材料の電気的、熱的特性の変化、ろう材拡散による経時変化などの問題が生じた。
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