研究概要 |
1.ECAP法により純A1やA1合金の結晶粒微細化ができた。純A1で約1μm、またMgを1%、3%添加した合金ではそれぞれ0.5μm、0.2μmの微細粒が得られた。Mgの添加がA1の結晶粒微細化に有効であることが示された。 2.加工時の直接温度測定にによれば、純A1で約30度、A1-3%Mg合金で約70度の温度上昇があることが分かった。この温度上昇は加工に要する付加荷重と比例関係にあった。しかし、この温度上昇は微細粒の形成に影響を及ぼさないことが知られた。 3.加工速度を0.18mm/minから18mm/minに2桁変えても微細粒組織は本質的に変わらなかった。 4.0.2%のScの微量添加によりECAP加工時の微細粒組織は450。Cの高温まで安定に存在した。このA1-3%Mg-0.2%Sc合金は、300。Cという低温で33x10_<-2S-1>という高ひずみ速度でも、1000%を超える均一な超塑性伸びが得られた。 5.純A1,A1-3%Mg,A1-3%Mg-0.2%ScのECAP加工を100℃,200℃,300℃の3種類の温度で行った。純A1やA1-3%Mgでは200℃以上になると傾角の小さい副結晶粒組織となった。一方、A1-3s%Mg-0.2%Scでは300℃の高温でも微細な結晶粒組織が得られた。高温ECAP加工では、微細粒組織の静的焼純の場合と同様に熱的に安定な析出粒子の存在が重要であることが知られた。
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