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1999 年度 実績報告書

酸素源を内部に分散させた金属および合金の内部酸化法

研究課題

研究課題/領域番号 10650716
研究機関日本大学

研究代表者

金子 純一  日本大学, 生産工学部, 教授 (00120410)

キーワードメカニカルアロイング / 粉末冶金 / 内部酸化 / 固相反応 / マグネシウム / 金属酸化物
研究概要

金属粉末と酸化物粉末をメカニカルアロイング(MA)処理することにより,延性のある金属中に硬くて脆い酸化物粒子を微細均一に分散させることができる.分散された酸化物が金属に対して熱力学的に不安定である場合には,酸化物は酸素の供給源として作用して酸素の置換反応が起こり,より安定な酸化物へと置き換わる.本年度は,Mg合金にこの手法を適用した.すなわち,純Mgに種々の酸化物(SiO_2,TiO_2,ZrO_2,SnO_2,PbO,Sb_2O_3)の粉末を添加してMA処理を行った材料において,添加した酸化物の分解に伴い,還元された金属とMgとの合金化と,MgOのin situ生成を図った.
その結果,すべての系において酸化物が微細均一に分散した組織のMA粉末が得られた.SiO_2添加の場合はMA過程中にSiO_2分解と,MgO及びMg_2Siの生成がX線的に確認された.MA粉末を加熱することにより反応はさらに進行し,それに伴って硬化が起こった.TiO_2添加の場合は,MA中の分解は起こらなかったが,その後の加熱によって複合酸化物MgTiO_3の生成が認められた.しかし,ZrO_2添加の場合は、MA中もその後の加熱中も分解は起こらなかった.熱力学的データによるとTiO_2およびZrO_2はMg中において不安定であるが,分解のための反応駆動力が十分に大きくないと判断された.低融点金属の酸化物,SnO_2,PbO,Sb_2O_3を添加した場合は,これらの酸化物の分解がMA中から起こり,Mgと低融点金属との金属間化合物(Mg_2Sn,Mg_2Pb,Mg_3Sb_2)およびMgOの生成がX線的に確認された.真空ホットプレスによって緻密化したバルク材においては,Mg-SiO_2系ではHV162に達する高い硬さの材料が得られたが,Mg-低融点金属酸化物系においてはホットプレス中に軟化が起こって,バルク材の硬さはMA粉末の硬さに比べて低くなった.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 大久保守,金子純一,菅又信: "Al-Y合金と金属酸化物とのメカニカルアロイングと固相反応"粉体および粉末冶金. 46・12. 1297-1302 (1999)

  • [文献書誌] 大久保守,菅又信,金子純一: "Al-Ca合金と金属酸化物(CuO,Fe_2O_3とのメカニカルアロイングと固相反応"粉体および粉末冶金. 46・12. 1303-1308 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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