研究概要 |
アルミニウム合金製のトラス中空構造体による壁材が,最新型の新幹線700系のぞみの車体に採用されている.また,せっ頭円錐円錐形の小さな突起形状をアルミニウム合金板材の面内に加工し,接着により上下に平らな板材を接合した軽量,高強度の床材の輸送車両への採用も検討されている.このように高比強度のアルミニウム合金板材をさらに構造体として検討し,一体としての剛性,曲げ強度,破損強度等の向上を図るべく,加工法や実機に搭載されたときの性能検査等がアルミニウム業界で実験的に検討されている. このような現況を踏まえて,本研究は高比強度でかつ高温では超塑性を発現する各種アルミニウム合金板材を対象にして,ガス発生剤を利用したRB/SPF(Roll Bonding/SuperPlastic Forming)によってトラス構造体,ハニカム構造体を低コストで製作することを,主として実験的に研究した.工程は表面処理,スクリーンプリント,プリパック,圧着圧延及び加熱・成形から構成される.本年度は特にスクリーンプリント過程を詳細に検討した.印刷スクリーンパターンを8種類新たに製作し,接合部のはく離強度,製品の表面平坦度について考察した.供試材はアルミニウム合金A1100,A3003,A5052,A5083であり,さまざまな組み合わせを実施した.本RB/SPFでは,クラッド材製作時の温間圧延が決定的に重要であり,今後改良を加えなければならないことが判明した.さらに,冷却時の成形部内の負圧による凹み,印刷される液体(STOP OFF +NH_3+ガス発生剤(ADCA))の成分調整などにも検討されなければならない点が見いだされた.
|